下りリンクMIMO-OFDMブロードバンド無線アクセスにおけるMLD信号分離を用いる50ビット／秒／Hz超高速パケット信号伝送屋外実験

摘要

本稿では，マルチセル環境において周辺セル干渉を考慮したときのほぼ究極のデータレートと想定される周波数利用効率50bit/sec/Hzを実現する超高速パケット信号伝送の屋内·屋外実験結果について報告する．周波数利用効率50bit/sec/Hzを実現するために，100MHzの周波数帯域幅，12送受信アンテナのOFDM-MIMO多重，64QAM変調，チャネル符号化率8/9のターボ符号を用いるマルチコードワード伝送を用いた．さらに，MIMO多重伝送の信号分離アルゴリズムには，信頼度情報に基づく適応生き残りシンボルレプリカ候補選択法を用いるQR分解およびMアルゴリズムを用いるMLD (Maximum Likelihood Detection)法（QRM_MLD法）を適用した．屋外実験結果より，基地局(BS: Base Station)からの距離が最大約200mの測定コースを移動局(MS: Mobile Station)が平均時速約10kmで走行したとき，MSの受信アンテナ間隔が20cm（キャリア周波数の約3.1波長分）および10cm（約1.5波長）の条件において，平均受信電力対雑音電力比(SNR: Signal-to-Noise power Ratio)が約28.0dBおよび約28.5dBで最大スループット4.92Gbps（周波数利用効率約50bit/sec/Hz）を実現できることを示す．