ノンハロゲン難燃材料の開発状況と製品紹介

摘要

我々が日常生活を営むに際して身近に接する家電製品等に配される電線には，古くより塩化ビニル樹脂（PVC）が，その絶縁性能と難燃性能を評価され広範に使用されている。 しかし，環境負荷低減を志向した製品設計を命題とした世間の潮流のなかにおいては，製品が不要となった際に，不適切な焼却処理等でダイオキシン類を発生する可能性がある含ハロゲン物質の使用削減を謳った製品へのシフトが進みつつある。 PVCは含ハロゲン性の代表物質としての性格で捕らえられており，脱PVC電線の要求が高まるなか，ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフイン類を，非ハロゲン系難燃剤により難燃化した，ノンハロゲン難燃材料を被覆材に配した「ノンハロ電線（ハロゲンフリー電線）」が搭載されるに至っている。