多用途に展開するピッチ系炭素繊維「クレカ」

摘要

炭素繊維は1959年の大阪工業試験所進藤博士のPAN（ポリアクリロニトリル）系炭素繊維の発明に歴史が始まる。 ピッチ系炭素繊維は1963年の群馬大学の大谷教授によるリグニンを原料とした発明に端を発し，1970年には呉羽化学工業〔現，㈱クレハ〕が世界で初めて等方性ピッチを原料とした汎用短繊維を工業化した。 1980年代にはメソフェーズピッチ系炭素繊維の開発が盛hになり，全世界で20社近くが参入していた時期もあったが，現在でほピッチ系炭素繊維メーカーとしては5社が存在するのみである。 各社の供給能力および製品特性を第1表にまとめて示す。