先天性脂質代謝異常症

摘要

先天性脂質代謝異常はリビドーシスとも呼ばれ，主にスフィンゴリビドの分解代謝異常症であり，細胞内リソソームでの加水分解酵素の先天的または遺伝的欠損症である．現在まで表1に示す疾患が知られており，これらの多くは中枢神経症状を合併する．臨床症状は多彩であり，臓器の腫大，骨症状，心，腎などの臓器障害，神経症状，皮膚症状など多彩である．呼吸器症状を合併する疾患もある．特にGaucher病，Niemann－Pick病などは呼吸器症状が強い．最近難治性の疾患であるこれらの疾患に対する酵素補充療法，基質合成抑制療法，シャペロン治療などの新しい治療法が開発されており，注目されている．