ヒ卜制御性T細胞の解析

摘要

制御性T細胞(Treg)は免疫応答を負にコントロールしているT細胞で，自己免疫疾患をはじめ移植免疫， アレルギー反応，がん免疫など，さまざまな免疫応答において重要な役割を果たしていることが明らかになつ てきている.Tregは1995年にCD4およびCD25を発現している細胞のなかに，免疫応答を負に制御するT 細胞が存在していることから発見され，2001年にはヒ卜でも同様の細胞が同定された.しかし，Tregのマス ター遺伝子として同定されたForkheadboxP3、Foxp3)が,ヒ卜ではナイーブT細胞の活性化によっても誘導 されることが明らかになり，ヒ卜Tregの定義が混乱している.著者らはCD4, FoxP3(CD25)および CD45RAを同時に染色することにより，ヒ卜Tregをより明確に定義できることを明らか.にした.本稿ではこ の定義を用いたTregの解析，とりわけがん免疫におけるTregの解析について述べたい.