管内走行用ケーブルレス型磁気アクチュエータ

摘要

化学プラントおよび医療やバイオテクノロジーなどの幅広い分野において,管内探索ロボットの要求が高まってきている。 これらのロボットは近年その重要性を増している配管の検査および修理を最終目的とするもので，医療分野では生体内における診療用などへの応用も期待されているこれに伴い,新しい原理による管内移動体に関する数多くの研究が報告されてきている。筆者は前報において，塩化ビニール，銅，ステンレス材などで製作された非磁性体配管内を長距離走行させるための一手段として，機械式マイクロDC-ACインバータを搭載したケーブルレス型磁気アクチュエ｝タを試作した．提案したマイクロインバータは二重片持はりの接触動作を利用し，電池の直流電源を直接交流電源に変換するもので，推進部を共振駆動することによりブ良好な走行性能を得ている。本方式を含め，アクチュエータを共振駆動する場合，発振振動数と推進部の共振振動数を完全に同調することができれば，アクチュエータの性能は最大限に発揮される．しかし両者間の振動数に，わずかでも差異が生じた場合は，アクチュエータの走行性能は著しく劣化する。 よって温度など，環境の変化等により，推進部の固有振動数が変動する状況下においての使用には適さない。 実際の適用を考えると，環境が変化しても，インバータ自体が自己補正し，アクチュエータ推進部の共振点に常に同調した交流電力を供給する方式が望ましい．