科学技術動向研究センターからの情報（2）--「科学技術トピックス」からの抜粋

摘要

地球温暖化の影響により、南極にあるラルセン棚氷（氷床の縁部が海上に張り出して浮いている氷原）の大規模な崩落が2002年に発生しました。 この棚氷が消滅した海域の海底沈殿物を米国の調査隊が調査したところ、海面から約850mの深さの海底に、冷湧水域に見られる泥火山と、その周りに雪のように堆積した微生物及びハマグリの大群生を発見しました。 冷湧水域とは、硫黄分の豊富な水や天然ガスが吹き出ている日光の届かない海域で、バクテリアによる有機物の生産により貝類などの生息が可能となる水域であり、南極での発見は初めてでした。