Acrylic polyol properties and 2K-polyurethane coating characteristics

摘要

2液ウレタン塗料において、主剤であるアクリルポリオールが塗膜性能にどのような影響を及ぼすかを確認するために、水酸基価（OHV）、酸価、ガラス転移温度（Tg）、分子量（Mn）等の因子を変化させたポリオールを試作し、それぞれのポリウレタン塗膜を評価した。その結果下記の関係を確認した。 ①水酸基価（OHV）：硬度、引張強度等多くの物性に影響する。 OHVが高い方が架橋密度が高く　なり耐候性などの塗膜性能も良くなる傾向にあるが、一方密着性等低下する物性もある。 ②酸価：乾燥性、架橋性等多くの物性に影響する。 酸価が高い方が乾燥性、架橋性が速くなる。③ガラス転移温度（Tg）：乾燥性、架橋性等多くの物性に影響する。 Tgが高い方が乾燥性が速　 くなるが、初期架橋性、耐衝撃性等の物性は低下する。④分子量：硬度等一部の物性には影響が見られるが、大きな影響は無い（塗膜性能は、架橋が十分であれば分子量の影響を受けにくいと考察される）。 このように、OHV、酸価、Tgといった因子がポリウレタン塗膜の様々な物性に深く影響を及ぼしていることを明らかにした。 また、因子によっては、硬化の初期、後期ステージにおいて物性の高低が逆転する場合がある事も確認した。 今回の結果は、目標とする塗膜物性をバランス良く発現させるための主剤の合成や選択に有効であると考えられる。