染色竹繊維グリーンコンポジットの創製と機械的性質－竹繊維コンポジット材の自動車内装材への適用可能性の検討一

摘要

冒頭でも述べたように，竹が工業的に広く利用されるためには，竹繊維を竹材から劣化させずに抽出し，これをプラスチックの強化材として適用することである。同志社大学では，いち早く「竹の高度利用研究センター（センター長：藤井透氏）」を立ち上げて，竹繊維の取り出しと評価·応用に向けて広範な研究·開発活動を進めている。その波及効果は次第に現れており，冒頭で触れたように，徳島大学，山口大学，京都市産業技術研究所などの機械材料系研究室でも研究成果が実りつつある。また，日本材料学会複合材料部門委員会においても5年ほど前からワーキンググループ（主査：神奈川大学竹村兼一氏）を立ち上げて，天然繊維グリーンコンポジット全般の動向に関わる調査·研究活動を進めている。このような学会レベルにおいても竹繊維グリーンコンポジットは注目されており，昨今におけるバイオマスの有効利用の流れも加わって，今後も竹繊維の実用化は確実に進んでいくものと予想している。関係各位のさらなるど協力，ご支援をお願いしたい。