多値符号化変調技術の無線通信システム応用への課題

摘要

ターボ符号の誕生以降，シャノン限界に近接する数々の2元および多元に基づく線形符号が提案されている。一方，限られた周波数資源において大容量の無線データ伝送を高信頼に実現するためには，多値変調技術の導入が必須である。よって，多値変調と符号を効果的に組み合わせた符号化変調技術が今後も重要な役割を担う。符号化変調は，ユークリッド空間上での通信路符号化とも考えることができるが，ユークリッド空間において直接的に線形符号を構成する手法として，格子構造に基づく符号化技術が近年活発に研究されている。そこで本稿では，格子構造をベースとした符号化変調技術の概要を述べるとともに，その無線通信システムへの応用に向けた課題について考察する。