核燃料技術高度化の現状と展望

摘要

核燃料技術は原子炉体系の中核であり，その安全性と経済性を担うのみでなく，エネルギー資源の有効利用，放射性廃棄物の処理などでも重要な役割を持つ。 軽水炉および高速炉の燃料技術高度化について論じるとともに，先進的核燃料リサイクル技術および新型核燃料技術についても現状を踏まえ今後の開発動向について展望する。本稿は，日本原子力学会「高度燃料技術」研究専門委貞会（主査：東大·山脇道夫，活動期間1997年4月～2001年3月）の成果報告書『最新核燃料工学-高度化の現状と展望』（2001年6月刊）をもとにまとめられたものである。 本シリーズのテーマとしては，今回取り上げた「高速炉MOX燃料の開発状況と今後の見通し」のほか，「軽水炉燃料技術の高度化」，「先進的核燃料リサイクル技術開発」，「新型核燃料技術開発」を取り上げる予定である。