小中学校授業のビデオ撮影やネット配信等に関する運用ガイドラインの策定

摘要

我々はこれまで小学校、中学校の教室授業のビデオ撮影、デジタルアーカイブ化、ネット配信（コンテンツ配信／リアルタイム配信）等に関する法的·倫理的課題を検討してきた（IEICE-ISEC2013-16，SITE2013-46）。また、暫定的ではあるが、小中学校授業のビデオ撮影やネット配信のための運用ガイドライン案を作成してきた。本稿は、上記研究を踏まえ、また、学校や教育委員会が採用可能なように学校関係者との議論を通じて一定の妥当性を確認しながら策定したガイドラインの主要要素とその背景を解説する。本稿で策定したガイドラインは、まず、一般的と考えられる小中学校授業のビデオ撮影、視聴（情報共有）の流れ図を示し、その後、その流れ図に沿って第1章「現業のビデオ撮影と視聴（情報共有）」、第2章「説明と同意」、第3章「著作物の著作権処理」、第4章「撮影と記録·保存五第5章「視聴（情報共有）」の全五章立てで構成した。本ガイドラインは、実際に学校等で採用する場合、そのままの形ではなく、現場の実態等にあわせて追記、修正して運用することを想定しており、拡張可能なガイドラインのコアにあたるものである。