Cox特例ハザードモデルの適合度評価方法

摘要

生活習慣病など，多くの疾患の発症には，過去の健康状態が関係している．このような，疾患の発症とその原因との関係をモデル化する方法を生存時間解析という．生存時間解析では，ある集団を一定期間追跡した記録データを解析に用いるが，多くの場合，転居や死亡などによって追跡が不可能になる標本（脱落標本）が発生する．Cox 比例ハザードモデルでは，このような脱落標本も解析対象としてモデルを構築することができるため，今日の生存時間解析において必須の道具となりつつある．しかし，生存時間解析においてモデルの適合度評価方法として従来よく用いられてきたHosmer-Lemeshow検定は，脱落標本がある場合には適切な評価ができない．そこで，本論では，この問題を解決するための修正Hosmer-Lemeshow検定を提案し，その有効性を示す．