水分計を用いた水蒸気平衡吸着量の測定装置と測定

摘要

吸着は気体の分離，吸着冷凍機による冷温熱発生，乾燥などの幅広い分野で使用されている．そこで，用途に合った吸着材の開発のためには，その平衡吸着量を測定し，吸着等温線を求めることが不可欠である．気相吸着量の測定法には吸着量を気体の体積と圧力の関係から求める容量法と吸着量を試料重量の変化から求める重量法がある．重量法の測定誤差は容量法に比べて少ないという利点があるが，測定試料を天秤の上に載せているために，試料温度を直接測定できない欠点がある．また，重量法は試料温度の調整にも時間がかかるため，測定時間が長い．さらに重量変化の測定には，例えばスプリングの伸びを望遠鏡で読み取る方法があるが，自動化されている例は少なく，されている装置は高価でかつ取扱いが容易でない．本研究では，測定時間が比較的短く，精度もあり，取扱いも容易で比較的安価で自動化が可能な測定装置を作成し，細孔径が制御された吸着材の水蒸気平衡吸着量の測定を試みる．本装置は電子天秤を搭載した水分計を用いることにより安価に自動測定を実現したので，結果を報告する．