ナノチューブの成長の理論

摘要

私は1995年にロシアより無機材研に招聘され、初め2年間はSTAフェローとして、その後はCOEフェローとして滞在している。 その間、自由な研究ができて大変喜んでいる。研究課題も柔軟に決めることができ、そのおかげで、新しい課題--ナノチューブの成長機構--の理論研究を行うことができている。 ナノチューブは、飯島氏の発見以来、物質科学において活発な研究分野になっている。 これは、その物理的性質からみて多くの応用の可能性をもっているためである。ナノチューブの生産技術を高度に発展させることが必要であるが、そのためには成長機構の理解、生成反応の理解が必要である。私は、ナノチューブの成長機構を、図のように、表面での成長層のステップフロー、および表面での原子拡散の問題として考え、理論的考察を行った。 その結果、以下のことが明らかになった。