RH用キャスタブルの特性比較

摘要

今回の試験において以下のことが確認された。 ①今回試験したキャスタブル材質においては，クロムを含有する材質が最も耐食性が高く，あらためてクロム成分の有効性を確認する結果となった。 マグネシア·クロム質キャスタブルは，高い耐食性を示した。 ②クロムフリー材質では，まだ耐食性が不十分であり更なる検討を要する。 誘導炉試験のような静的環境下では，マグネシア含有量が多いほど耐食性には有効であるが，温度変動の伴う回転浸食試験のような動的環境下では，必ずしもそうとは限らず，耐スポーリング性，溶鋼摩耗に耐えられるだけの適切な強度も必要であると考えられる。 また，マグネシア含有量が高くても膨張の大きい材質ほ溶損も浸透も大きい傾向が見られた。 ③クロムフリー材質の中では，耐スポーリング性，耐食性のバランスがとれたマグネシア含有量に適正領域が存在すると考えられる。 しかし，適用される部位により材質を使い分ける事が必要と考える。 ④試験方法の遠いによって試験結果が異なった。 キャスタブルのRHでの適用部位，環境によって，試験方法を検討する必要がある。 環流管や浸漬管の内孔部等は溶鋼の対流，環流ガスによる摩耗など動的環境になると考えられるため回転浸食法が適すると考える。 今回の試験による知見をもとに改良を進め，実機でRHキャスタブルのテストを実施していく予定である。