都市災害での利用を想定した無線LANメッシュネットワークとモバイルアドホックネットワークの実地試験（1）－目的と概要

摘要

総務省関東総合通信局が「地域防災コミュニケーション支援システム」の構築に関する調査検討会の活動の一環として、2009年1月に東京·池袋で実施した、無線LANメッシュネットワークとモバイルアドホックネットワークの利用可能性に関する実地試験の概要を述べる。本検討会は、都市における直下型地震などにより、携帯電話の基地局が損傷したり、大量の通話要求で通話制限がかかったりして、被災者が欲する情報が携帯電話網から十分に得られなくなることを想定している。高さの異なる多くのビルの林立、高速道路·一般道路上の車両の交通量、帰宅困難者など大量の一般市民の避難移動、街角でも利用数が多い各種無線ネットワークとの干渉など、都市部特有の様々な条件下における、巨大災害時の無線ネットワークの利用可能性に関して、実測による定量的な評価を行うことを目的とする。