移動伝搬路におけるランダム位相と周波数オフセットが存在する場合のOFDM-DQPSK遅延検波のBER特性とダイバーシチ改善

摘要

移動伝搬路において，チャネル推定の不要なOFDM-DQPSKの遅延検波を用いた場合のBER特性をコンピュータシミュレーションにより検討した．符号誤りとして遅延検波を用いたために生じるシンボル間の伝搬路のランダム位相差による誤り，OFDM適用のために生じるランダム位相と周波数オフセットによるICIによる誤りの2つが同時に存在する条件下で検討した．その結果，i）BERに与えるICIのパラメータεはf{sub}mT{sub}s(f{sub}m:最大ドップラー周波数，T{sub}s:OFDM シンボル長）とs（周波数オフセット率）に関係し，εが大きくなるとICIは大きくなる．ii）ICIがBERに及ばす影響0.01 でs≧0.1の時BER＝10{sup}(-3)付近より現れる．iii）ICIの影響はダイバーシチによって大きく改善され，E{sub}b/N{sub}0>20dB，f{sub}mT{sub}sとsが0.1以下の時2桁以上のBER改善が期待できる．