ブロック給電導硬管スロットフェーズドアレーのビーム走査特性

摘要

民生用に低コストなフェーズドアレーが求められている．これまでに，隣接するブロック間に結合窓を設けることによって，アンテナの特性を劣化させること無く移相器の数を半減できるブロック給電方式が提案されている．本報告では，ブロック給電方式の実現可能性の確認を目的とし，12GHzにおいて，4列1移相器構成の導波管スロットフェーズドアレーを設計，試作したのでその電磁界解析結果及び測定結果について示す．指向性の測定の結果，解析結果とよく一致し，2つのブロックを接続する結合窓の寸法を最適化することにより，結合窓を設けない場合と比較し，サイドロープレベルを低減できることがわかった．また，移相器が1つにもかかわらず，ポート間位相差を変化させることによって，設計通りにビーム走査可能であることがわかった．一方，理想値と比較してサイドローブレベルが上昇した．これは，結合窓通過時の位相変化が原因であることを，本報告で明らかにした．