AZ31マグネシウム合金市販板の温間引張試験における流動応力と組織変化

摘要

実用金属申で最も密度の小さいマグネシウムは，世界的な環境問題の意識の高まりのもと，産業界で起きている省エネルギーの低温リサイクルによる資源再利用の推進などの強い要求に応えられる金属材料と－して脚光を浴びてきている．すでに自動車業界などでは第二次大戦壊すぐに軍事技術からの転用によるマグネシウム合金の鋳造品が使用されてきたが，最近は各種の精密鋳造法の発展，展伸材や圧延材の製造技術の確立などで多方面にわたり利用が進められてきている．マグネシウムはアルミニウムと異なり対称性が低く，すべり系の少ない結晶構造，hcp構造を有するため間での塑性変形が難しく，すべり系が増す熱間または温間での塑性加工が必要である．この条件のもと構造体としての強度や靭性，量産時の生産性や仕上がり精度に優れた圧延薄板材プレス成形技術が求められている．