大学改革の大津波（その4）

摘要

大学改革の大津波は，ユーラシア大陸，北米大陸のほとんどの先進国で荒れ狂っている。 筆者の私的見聞から話をはじめる。 1984年にマンチェスターのサルフォード大学を訪ねたとき聞いた詣である。 当時英国はサッチャー改革の真っ最中で，サルフォード大学は44％の予算削減を喰らった。なんでそんなことになったかというと，予算配分委員会に，この大学は委員を出していなかったからである。 そのため4000人いた学生を2500人に減らした。 学生数が減ったからといって，講義のコマ数が減るわけではない。 引退する人がいても，補充してくれない。 そのために一人1週16コマ，多い人は1週20コマも講義を持っている。 おまけに雑用が多い。 毎日々々meetingに次ぐmeetingがいつ果てるともなく続く…。 その時は他人事のように聞いていたが，まさかそれから20年後に日本の大学に同じような運命が襲いかかろうとは思わなかった。