廃棄物·有害物質処理対策：揮発性有機溶剤回収技術

摘要

地球環境の保全がクローズアップされているなか，化学·塗装·印刷·薬品工場から排出されるベンゼン等の揮発性有機化合物(VOC: Volatile Organic Compound)や，石油基地·油槽所のタンクローリー出荷場等から放出されるガソリンベーパー等の除去が検討されている。 国会でも，通産省·環境庁が「特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理促進に関する法律」，いわゆるPRTR法を取り上げ，2000年に施行され，当該化学物質を取り扱う事業所の管理強化を求めている。 本法による当該化学物質の排出量や濃度に対して規制はないが，事業所単位で当該物質の大気·水質·土壌などへの排出の実体を報告する義務が生じ，今まで法規制を受けなかったVOCの大気放出に対する改善の動きが活発になってきている。 当社は，従来から製油所，油槽所などの出荷設備で発生するガソリンベーパーを回収して再利用するプロセスを有しており，30基以上の実績を持っているが，数年前からは揮発性有機溶剤等のVOCベーパーの回収·除去にも取り組んでいる。 VOC除去プロセスは，対象物賀や濃度によってそれぞれ適した物を選定する必要がある。 以下に，当初が保有するVOCの除去技術について説明する。