ゴム系ナノコンポジット（3）

摘要

貴金属超微粒子をポリマーマトリックス中に分散させた金属クラスターハイブリッドがあるが、ポリマーやガラス中に金属超微粒子を高速で分散させる手法（RAD）が提案され、各分野への応用展開を図っている。三ツ星ベルト（株）の野口らはこの技術をCR架橋体をマいノックスとする金超微粒子分散コンポジット作製に利用し、得られたコンポジットの相構造やゴムの運動性を、パルス法H-NMRのSolid Echo法で検討している。 このコンポジットは、RAD法で金超微粒子を分散させたポリエチレンオキサイド（PEO）を、硫黄変性タイプのCRにロールプレンドあるいは溶液ブレンドした後、架橋して調製している。 CR架橋体は園41に示すNMR解析結果から、緩和時間T_2によってCR分子の運動性が異なる4種の相に分離できる。 その中で、高温下において液体と同様な分子運動性を有する分子末端相の運動性に着目し、溶液ブレンドで調製したコンポジットは、わずか0.6phrのブレンドにもかかわらず、分子末端相の運動性を抑制する効果を持っている。同様の効果をカーボンブラック（CB）で得るためには、充てん量が40phrも必要である。