ダイヤモンドLED

摘要

ダイヤモンドの工業利用というと，加工工具や研磨材というイメージが根強い。 しかし，ダイヤモンドは，全物質中最高の熱伝導率5.47eVに及ぶワイドバンドギャップなど，最高クラスのポテンシャルを有する機能材料·半導体材料としての一面ももっている。この分野における研究開発は，80年代に薄膜成長が可能な気相合成法（CVD）が開発されてから隆盛を迎え，今日では表面弾性波（SAW）フィルターや通信用レーザー用ヒートシンク，赤外分光用窓材などが実用化された。 さらに，近年のCVD, 高圧合成法における著しい結晶性向上，n型伝導制御の実現などにより，能動型半導体デバイス応用にとっても状況は飛躍的に改善しつつあり，高周波·大電力デバイスや耐環境デバイスなどを目指した研究開発が行われている。