カルシア改質土の基本特性

摘要

カルシア改質土は，渡藻土とカルシア改質材（転炉系製鋼スラグを原料として成分管理と粒度調整を施した材料）とを混合することで，淳諜土の物理的，化学的性質を改善した材料であり，土木資材としての活用が可能である。カルシア改質土の土木資材としての基本特性について，①強度発現特性②水質環境影響の観点から調査した。カルシア改質土と渡漂土を混合した試料を海水中で養生すると，カルシア改質材からのCaと，液漂土からのSiO2やAl2O3の水和反応が進行して水和物を生成し，固化する。また，渡漂土をカルシア改質土にすることにより，淳諜土からのりん，硫化物の溶出や藻類の増殖を抑制できることを実験で横証できた。実海域への適用を想定したシミュレーションの結果埋め立て材の種類によって水質濃度の改善効果に大きな遠いはみられなかったが，生物に毒性が強い硫化水素等の還元物質の存在量の低減効果に着目すると，淫漂土よりカルシア改質土を用いた場合のほうがより改善効果が大きく，施工部直上水での還元物質濃度を指標とした場合，漫漂土に比べ1．4倍程度の改善効果であった。