診断基準

摘要

過敏性腸症候群の最新診断墓準としてRome III基準があり，「6力月以上前からみられる腹痛ある いは腹部不快感が最近3力月間は月に3曰以上にわたって繰り返し起こり，その症状が?排便によつ て軽快する，②排便頻度の変化を伴う，③便形状（外観）の変化を伴う，の3つの項目のうち2つ以上 の症状を伴うちの」と定義されている.多くはストレスによる症状の発症?增悪で特徴づけられ，しばしば心身症の病態を呈する.ただし， 過敏性腸症候群と類似した症状を呈する疾患は多く,症状を説明するだけの器質的異常または代謝異 常が認められないことが前提となる.つまり，過敏性腸症候群を診断するための特異的な検査はない ため，器質的腸管疾患をはじめとした種々の鑑別診断が必要となる.しかし，日常臨床においては鑑 別診断のための網羅的検査にとらわれすぎず，診断ガイドラインをもとに症状に立脚した診断を心が' けることが重要である.