進化した無線通信技術に柔軟かつ効率的に対応するためのアナログRoFと光給電を用いた光無線基地局ネットワーク

摘要

携帯無線通信のブロードバンド化が世界的規模で進んでおり，急速に増え続ける膨大なトラヒックを収容するために電力と周波数資源の極限利用を図る次世代システムの構築が必要となっている．このため新たな高周波数帯の追加，より効率的なMIMO伝送を可能とする分散アンテナシステム，既存無線セルと極小セルの共存を可能にするヘテロジーニアスネットワーク，複数周波数帯域を束ねて周波数の効率的利用を図るキャリアアグリゲーション等の進化した無線技術の導入が必須となっている．本稿ではこれらの進化した無線技術に柔軟かつ効率的に対応できる第5世代（5G）移動通信システム向けの光無線融合基地局ネットワークの基盤技術のうち，基本コンセプトと，アナログ光ファイバ無線（RoF）を用いた場合に複数帯域を一括非線形補償する技術を中心に紹介する．