薄膜抵抗からなるポスト壁導波路無反射終端器

摘要

近年盛んに研究されているポスト壁導波路(SIW: Substrate-Integrated Waveguide)からなる無反射終端器について述べる．同終端器は，ポスト壁導波路を構成する誘電体基板の上面導体の一部に方形の薄膜抵抗が形成された簡素な構造からなり，従来の中空導波管の無反射終端器にて用いるような立体的なテーパ形の電波吸収体が不要となるため，その製造が極めて容易となる．また薄膜抵抗の形状を上記従来品から類推されるテーパ形ではなく方形とすることで特に導波路カットオフ周波数近傍での反射量を低減でき，従って回路の小型化が図れることを示す．さらにX帯に向けた無反射終端器を試作し，比帯域幅約22％にて反射量-20dB以下の測定結果を得た．