植物工場における人工光利用技術

摘要

従前より「植物工場」は，人工光を利用した閉鎖環境下における植物生産システムのことを指していたが，我が国では2009年頃から，より広範な意味で用いるようになった。その結果，植物工場は「高度に制御された環境で周年的に栽培·収穫ができる生産施設」とされ，人工光（利用）型と太陽光（利用）型の2種類に大別されている。然るに，人工光型は閉鎖環境において蛍光灯やLEDなどの人工光を光源とするが，太陽光型は高度に環境制御された温室などの栽培施設において，太陽光のみ，若しくは太陽光と人工光を併用するものに分類できる。本稿では，完全に制御された閉鎖環境の中で植物生産を行う人工光型に焦点を絞り，近年の技術動向を紹介するとともに，LEDを用いた植物の生育制御と機能性成分向上技術について紹介する。