汎用IPMのIHインバータへの適用

摘要

三菱電機が2005年2月に発売したIH （Induction Heating：電磁誘導加熱）クッキングヒーター"CS-G2204"は，ミニキッチン用のコンパクトなサイズにもかかわらず2.5kWの大容量IHヒーターを2口搭載した。 本体厚さも8cmの薄型化を実現し，省スペース設置を可能にし，キッチン下スペースを有効に活用できるようにした。本体厚さ8cmを実現するために，モータ制御用インバータ回路に広く使用されているIPM (Intelligent Power Module)をIHインバータ回路に適用し，小型·薄型化を図った。さらに，回路方式を従来のハーフブリッジ方式からフルブリッジ方式に変更することで半導体損失を130Wから100Wに削減し，半導体放熱用のヒートシンク体積を削減した。 これにより，従来のディスクリートIGBT (Insulated Gate Bipolar Transistor)構成に比べ，基板面積を57％，厚さを35％削減できた。 また，インバータの電力制御方式として位相制御方式を採用し，約100Wの低火力から2.5kWの高火力まで高効率動作を可能とし，様々な調理に対応できるようにした。