高松城天守台修復における地盤改良技術の適用について

摘要

本研究は，国指定史跡である高松城跡の天守台石垣修復において，石垣に発生した変状要因について工学的な調査に基づいて多面的に検討し，その結果をもとに十分な安定性を確保できる伝統的な工法を選定して設計·施工を行った事例について報告するものである．合わせて，この研究を通じて，我が国固有の土木構造物である石垣の修復における地盤工学的な検討の重要性と伝統技術を後世に伝える上で，歴史分野と工学分野の連携の在り方について考察するものである．