果樹の品種、作型の発展

摘要

わが国における果樹施設園芸栽培の起源は、岡山県や大阪府などにみられる温室ブドウにある。 明治19（1886）牛、岡山県御津郡野谷村の山内義男氏は、欧州ブドウが露地での栽培が困難なことから、片屋根式ガラス室を建て栽培したのが、温室ブドウの始まりとされている。 なお、温室ブドウの代表的な品種は、‘マスカット、オブ、アレキサンドリデであり（栽培面積の75％を占める）、その他、大正末期に導入された‘グロー、コールマン’（24％）などがある。 なお、温室ブドウを例外とし、ごく最近まで、果樹の施設栽培についてはほとんどみるべきものがなかった。 それは、主として次のような理由からであった。