砂漠化防止対策をめぐる最近の国際的動向（その2）-砂漠化対処条約成立までの経緯ならびに条約の概要と意義－

摘要

アフリカ、サヘル地域で砂漠化の影響を受けている代表的な国として，マリとニジェールにおける取り組みを概観する．しかし，これらの国に限ったことではなく，サヘル地域の他の国々に共通して言えることほ，これまでの認識でほ，砂漠化の遠因として政策、砂漠化防止に対する戦略の不備，法律と制度の未整備を取り上げられてきたが，砂漠化対処条約締結国が増えるにしたがって，こうした未整備な点をまず改善されるべきであるとの締結国側からの強い要求が改めて提出されるに及んだ．この要求を受けて，サヘル地域の国々では砂漠化防止に向けての政策、戦略、法律の整備が進んでいるので，ここではその状況を中心に紹介する．