一日本で使用されている動物用ワクチン（XI)—豚用ワクチンの概説 豚レブ卜スピラ病ワクチン（混合不活化ワクチン

摘要

レプトスピラ症は，Leptospim interrogansに属する 病原性レブトスビラによる感染症で，海夕14こおける発生 報告も多い.牛，鹿，豚，犬をはじめ，ほとんどのほ乳 類に感染する[1，2].特に，げっ歯類では高率に保菌が 認められることから，自然宿主と考えられている[1]. 菌は，感染動物の腎臓尿細管等で増殖した後尿中に排泄 され，汚染された水や土壌を介して他の家畜に経口-経 皮的に感染する[1，3].レブトスビラは，スピロヘータ 目レブトスビラ科に属するグラム陰性細菌で，生きた菌 を暗視野顕微鏡下で観察すると，へビ様の活発な回転運 動が認められるが，分離培養は難しく，培養には長い時 間を要する[3].レブトスビラ属菌には多くの血清型、 遺伝子型力幸艮告されてレ、る力， L. interrogans serovar Pomona, L. Canicoia, L. Icterohaemorrhagiae, L. Grippotyphosa, L. Hardjo, L. Autumnalis及び Australisの7種類の血清型によるレブトスビラ症が家 畜伝染病予防法による届出伝染病に指定されている.