犬血清CRP値に関する研究

摘要

C－reactiveprotein（C反応性蛋白；CRP）は、各種炎症、組織の壊死、悪性腫瘍などの場合、血液中に非特異的かつ速やかに上昇してくる急性期蛋白の一つであるため、近年、ヒトのみならずイヌにおいても臨床診断上、とくに様々な炎症性疾患における有用性が報告されている。CRPは、正常血清中にはほとんど存在せず、正常値は1mg／dl未満で、主に、細菌に対する感染防御、損傷組織の除去と修復、循環血液中の異物の除去など生体防御能に関与しているとされている。 本研究では、CRP測定の臨床診断上の有用性を検討するため、実験室内の健康犬、収容施設の寄生虫感染犬および来院犬についてCRP値を測定した。