農村における景観形成

摘要

農産物の生産の場としての農村は，これまで経済性と効率を求めた農村整備の手法が支配的であった。一方，グリーンツーリズムに象徴されるように，ゆとり，うるおい，やすらぎを農村に求める傾向が顕著になってきた。 農業そのものは重大な局面に至っているが，農村景観がにわかに注目集めているのである。 この農村景観の形成ということを考えるとき，「農村公園整備」「景観形成作物の導入」のような，補助メニューを提示するだけで足りるのだろうか。 補助金がもらえるから公園をつくるということでいいのだろうか。 制度の組立てと現場の反応を検証し,農村景観へ取組む姿勢について考えてみたい。