大型機械選別場の導入に伴う農家の経営行動と産地マネジメントの課題

摘要

近年の個販部門活性化の中，主産地概念の代名詞である共販組織は，活動が沈滞している．農協は，共販規模の維持、拡大を企図して，内部品質の非破壊測定を可能とする大型機械選別場の導入を進めているが，低稼働率に伴う赤字や販売単価の低迷が指摘されており，組織の発展に必ずしも寄与していない．他方，組織化利益を低下させる個販の拡大は，産地の利益と全面的には合致しない．求められるのは，共販と個販を包含し，産地として発展するためのマネジメントである．