有用遺伝子導入法による新規地域農産物作出技術の開発

摘要

栽培ラッキョウに広く、高率に発生しているウイルスは、ニンニク潜在ウイルス（GLV）である。 GLVは、長さ六〇〇～七五〇nmのひも状のウイルスであり（写真1）、GLVの単独感染株では葉に病徴は現れないが、ウイルスフリー抹に比較して生育、収量が抑制され、分球数は一二～一四％、りん茎重は二七～二三％の減少となる（図1、写真2）。 茎項培養によりウイルスフリーとなったラッキョウは（写真3）、ほ場では生育がおう盛となり収量が増加する。 生産地の株をウイルスフリー化すると、収穫した株の分球数の増加が緩慢で、一球が過度に肥大し、一球垂の過度に重い大七のラッキョウが生育する固体群が多くみられた。 そこで、分球数の多い固体群を選抜し、その株を利用してウイルスフリー株を作出した。