一季成り性種子繁殖型イチゴ品種「千葉F-1号」の栽培法

摘要

イチゴの促成栽培はランナーでの増殖が一般的であるが、夏秋栽培で導入されているオランダの四季成り性品種の一部では種子のものがある。種子を用いたイチゴ栽培の利点は、増殖用の親株を管理することなく育苗が可能であること、親株から伝染するウィルス病等の病害を遮断できること、育苗の開始時期を調整できること等が挙げられる。種子繁殖型イチゴ品種の育種は、これまで国内ではほとんど行われてこなかつたが、2011年、千葉県が国内初の種子繁殖型ィチゴ品種である「千葉F 11号」を育成し、品種登録した。今後、イチゴにおいても種子繁殖型品種の育種と、それを利用した栽培技術開発の進展が期待される。今回は、種子繁殖型イチゴ品種「千葉F-1号」における発育ステージおよび育苗時の培地容量が花成誘導に及ぼす影響について調べた研究を紹介する。