キク切り花の 周年ま産を支える無病苗生産 (1)周年生産の歴史と オランダにおける周年生産

摘要

1974年に欧米のキク周年生産用品種を導入以来、筆者はスプレーギクの育種と普及に取り組んだ。この間、数年おきにオランダを訪ね、育種と周年生産について調査を行い、本誌に紹介した。しかし2000年ごろにオランダ政府は「温室園芸の振興は環境汚染を拡大する」という理由で補助金を停止し、関係試験研究機関を閉鎖した。このころ関係研究者の多くは退職し、筆者は情報提供者を失つた。このような理由でオランダ訪問を中止した。ところがわが国でも亜熱帯で生産された揷し穂を購入する切り花生産が増加するにしたがつて、揷し穂で伝染するウィルスやウイロイドの被害が多発した。本年6月、オランダでそれらの防除方法の調査を行った。あわせて育種と周年生産の現況を見聞した。その概要を本誌に、8周年生産の歴史とォランダにおける周年生産わが国の周年生産と技術改善S無病苗生産の3回にわたつて連載する。