特産カソキツの高品質化と貯蔵技術開発に取り組む: 高知県農業技術センター果樹試験場常緑果樹科

摘要

高知県は日本一のユズ生産高を誇り、特産品としても名高い。 10月頃から収穫が開始されるユズであるが、貯蔵技術の発達により4月頃まで出荷が可能となった。 しかし、長期貯蔵に当たっては、水腐れ症と呼ばれる果皮障害が問題となっていた。 近年、同試験揚が開発した高温予措技術（収穫後、30℃で3日間保蔵）によって水腐れ症はほぼ回避することが可能となったが、代わりにこはん症が新たな問題として発生するようになった。 そこで、こはん症の回避を目指し技術開発を行っている。 現在までに、変温貯蔵によって発生を軽減することが可能となったが、果皮が赤化しやすくなる等の問題があるため、さらに適切な温度管理を調べるとともに、根本的な発生要因の解析も行っている。 今後は樹上での栽培管理も含めた総合的なこはん症発生軽減体系の確立を目指している。