今年の着花状況と今後の生産対策

摘要

平成二五年産ミカンの確定生産量(農水省公表：五月一三日)は八九万六千tで、前回表年の二三年対比で九七、一一四年産対比で一〇六と、生産量では隔年結果の表年傾向を示していた。これを単収(一〇a当たり収量)の一一三年対比(前回の裏年)でみると、ミカン全体で一〇〇(極早生：一〇七、早生：九八、普通：一〇三)と、六月下旬の異常高温で大量の生理落果が生じた一一三年並みの作柄であって、それ以前の表年と比べてやや低い水準となっており、裏年も合わせてみると最近の隔年結果の緩和傾向が窺える(表1)。卸売価格は裏年である前年の一一四年産をわずかに上回つて概ね堅調に推移しており、全国的な生産量と市場価格の安定化が果樹園経営の基盤強化につながるのではと期待している。この二五年産確定生産量を用いて、主産地八県における生産動向を過去の当年単収ぉよび前年単収のー一項移動平均収量に対する増減比率の分布図(図1、詳細は本誌六九卷一月号参照)に当てはめてみると、多くの生産県で一一五年産は一一四年産よりやや多く、二四年産は二三年産よりやや少ないという、従来の隔年結果の波相を多少受け継いでいるがその振幅は軽微であり、一部の県では一一五年産と二四年産はほぼ同水準で、裏年の