果樹病害の最近の動向と防除策 第10回 カンキッの品種「不知火」に生じる「汚れ果症」とその対策

摘要

施設栽培の「不知火」では最近、赤道面から果頂部側に小さな黒点を生じる症状が発生し(写真①、②)、各産地で問題になっています。多い場合には半数以上の果実に発生し、経営に大打撃を与える場合があります。以前は、生理障害ではないかと思われていましたが、当試験場で病害防除の観点からのァプローチを行った結果、殺菌剤の散布で被害を著しく軽減できることを明らかにしました。今回は「汚れ果」の特徴とその対策について述べてみたいと思います。「汚れ果症」は、赤道面から果頂部側に小さな黒点症状を生じるのが特徴です。果皮が緑色の段階では症状に気づきませんが、果実が着色すると小さな黒点が目立つよ、つになります。症状が激しい場合には皺状になり、商品価値が著しく眩下します。