Gemcitabine奏効後放射線治療を行い40か月経過観察中の膵癌非手術症例

摘要

症例は65歳，男性。腹痛を主訴に来院し，精査により急性膵炎と診断された。1か月後のMRIで膵頭部にT1およびT2で低信号を呈し，動脈相でhypovascularityを呈する充実性病変を認めた。MRCPでは同部位に相当して下部総胆管の途絶像を認めた。膵癌が疑われたためFDG-PETを施行し，浸潤性膵管癌とリンパ節転移が疑われた。また，血管造影にて門脈の狭窄があり，同部位への浸潤が疑われた。T4N1M0， Stage IVaの膵癌と談断し，gemcitabine (GEM)を用いた化学放射線療法を施行した。画像上病変の消失を認め，現在外来でS-1lOOmg内服にて40か月再発なく経過観察中である。