集学的治療が有効であゥた大腸癌Krukenberg腫瘍の1例

摘要

症例は80歲，女性。2007年2月，2型S状結腸癌に対して2群リンパ節郭清を伴うS状結腸切除術を施行した。病理組織の結果はwell differentiated adenocarcinoma, ss, alpha, lyO, vO, ow (-)， aw (-)， n (-)で，fStage II (SS, NO, PO, HO, MO)，根治度Aであつた。術後経過は良好であつたが根治術後12か月ごろよりCEA値の上昇がみられ，CT検査およびMRI検査にて骨盤内に直径10cm大の多房性囊腫を認めた。2008年5月，両側卵巣悪性腫瘍に対して子宮·両側付属器摘出術+大綱切除術を施行した。病理組織の結果は転移性腺癌で大腸癌由来のKrukenberg腫瘍と診断された。また，術中の腹水細胞診の結果は陽性であった。本人·家族に結果を説明したところ，外来での内服抗癌剤治療を希望された。Krukenberg 腫瘍術後25か月現在，明らかな再発所見なく外来加療している。