在宅で埋め込みIVHを成功させるために 決定のプロセスを支えるための病棟看護師の役割を考える

摘要

在宅静脈栄養法は，癌の終末期患者や脳血管障害など経口摂取が不可能な患者の在宅療養を可能にする手段として注目をされている。 特に埋め込みタイプのIVH（経静脈高カロリー輸液）はボディイメージも損なわれず，QOLも向上しトラブルも少ないため当院での導入は増加傾向である。 しかし，導入当初の目的を達成することができずに死亡退院する人も少なくないため，この療法の導入に当たってはその適応を十分に判断しなければならない。入院が短期化するなかでわれわれ看護師は，導入前に本人の意思，介護状況，医療ニーズを把握し，患者や家族にとって何がいちばんよい方法であるのかを考えながら看護に当たっている。 これらのうちから一つでも欠けてしまうと在宅への移行そのものが困難になるケースもあり，病棟看護師の役割の大きさを実感した。