都市の木質化をめざして

摘要

私ども中部支部がある伊勢湾流域圏は，人口が集中する世界的な商工業地域，生産性の高い農業地帯，豊かな水を滴毒する森林資源が，伊勢靖という半開銀糸の海域を中心に，地理的にも，気象的にもひとまとまりとなったエリアです。 　この流域圏では，まず都市部においては，コンクリートアスファルト被覆の無秩序な広がりによるヒートアイランド現象や都市型洪水の増加，無計画な開発による土地利用の混乱　中心市街地の衰退など様々な都市間題が発生しています。一方，中山間部においては，過疎化が進行し，農山村の限界集落化や山林管理の放棄による森林や農地の生態系の劣化など様々な環境問題を抱えています。また，伊勢湾内においては，その半閉鎖的な性格が，生物多様性や生態系の持続可能性に深刻な影響を与えています。