ワーキングジョイント向け一成分形変成シリコーン系シーリング材の開発動向

摘要

「カネカMSポリマー」を主成分とした変成シリコーン(MS)系シーリング材は，1978年に上市された。現在，二成分形のMS系はワーキングジョイント(WJ)の幅広い適用部位に，一成分形MS系は戸建外壁目地を中心に，それぞれ使用されている。これは，1980年代中頃から定着していった適材適所という考え方に沿って，原料ポリマーのみならず，シーリング材としての性能を時代のニーズに合うようにブラッシュアップし,経験と実績を積み上げてきた結果である。適材適所とは，構法や目地(および被着材)の種類別に適切なシーリング材を選hで使うという考え方である。耐久性に優れるシリコーン(SR)系は金属やガラス回りに，ポリウレタン(PU)系は塗装目地に，汚染性の低いポリサルファイド(PS)系はタイルや石目地に，露出の目地にはMS系といった使い分けである。そして，ムーブメントが作用するWJには二成分形を適用するといったことも,適材適所には含まれている。