Anammoxのパワーに魅せられて

摘要

生育が遅く，培養が難しいとされてきたanammox汚泥は，微生物担体としてポリエステル製不織布を活用した上向流固定床式リアクターで比較的簡単に培養できる。anammox細菌はグラニエール状に生育し，その表面に好気性のフロック形成菌がフイルム状に共生することで，DO，有機物の阻害を受けにくくなる。また，培養が進みリアクター内のanammox汚泥濃度が20g／l以上に高まると，従来法の10倍以上の驚くべき高い窒素除去速度を示すばかりか，20℃程度の温度でも高い窒素除去速度を維持することができる。初期のanammox汚泥濃度を500mg／lで上向流固定床式リアクターを運転すると，3カ月で3．Okg－N／m3・dまで迅速にリアクターを立ち上げることができる。anammOXの生育特性を利用したハイブリッドリアクターでは，最高25．7kgqN／m3・dという非常に高い窒素負荷での運転が可能となる。