環境負荷が大幅減で安全なァヮビの循環式陸上養殖技術

摘要

(株)大林組は12月9日,水を浄化しながら再利用することで,排水による海への環境負荷をかけることなくァヮビを育成できる循環式陸上養殖技術の開発を発表した。水産物の安定供給を実現する養殖技術が注目されるものの,ふhや残餌を含む養殖排水による海洋への環境負荷が問題になっており,飼育水を浄化しながら再利用する循環式陸上養殖が脚光を浴びている。そこで同社では,微生物の力で水槽の飼育水に含まれる有機物や窒素化合物などを分解除去することで清浄な水質を保つことができる循環式陸上養殖技術の開発に至った(ィラスト)。同社技術研究所において,とくに清浄な海水を好み水質等の成育環境を適切に管理することが求められ,かつ近年漁獲量の低下によって養殖への期待が高まっているァヮビについて,1年間実証を行なった。これにより,同技術に加えてァヮビを育成するのに適切な温度管理や水槽の衛生管理手法を確立したことで,殻長が3～4cmのァヮビの稚貝を,約1年で平均7cm程度,最大では8.5cmに成長させることができた。同社では,閉鎖系の環境なので安全•安心な水産物を天然よりも早く安定供給でき,環境負荷も最低限に抑えられるとしている。